乳酸は疲労物質?

乳酸加リンゲル

「乳酸がたまった筋肉痛・筋肉疲労に」 消炎鎮痛剤のスプレーでお馴染みの某製薬会社のCMのフレーズですが、、、(でしたが、間違いに気づいたようで2010年頃から訂正されています)

「乳酸がたまると筋肉痛になる」「疲れると乳酸がたまりやすい」「乳酸を揉み出してスッキリ」

「疲労物質」は未だ発見されていませんが、もし「疲労物質」というものがあるとすれば、それを透析などで血中から除去すると疲れがとれたりする物質ということになります。乳酸を血中から取り出すと、ミトコンドリアのエネルギー源がなくなるので、むしろ疲労すると考えられます。

血中の乳酸濃度は速筋線維が活動すると乳酸が作られるので、運動強度の指標になります。安静時は2mmol以下ですが、400m走や100mクロールなどの直後は20mmol以上のまで上がります。某W大学の水泳部では練習後に乳酸値を計測しており、3mmol以下に下がるまでクールダウンをするように指導しています。急に運動をやめることとで、心臓・肺・肝臓・腎臓に無用の負荷をかけないために、軽い負荷での運動(クールダウン)をしています。

しかし、、1ヶ月前にはこの話を「へぇ〜勉強になりました」と言って聞いてくれた選手が、「クールダウンは何でやるんだったっけ?」と聞くと、「乳酸を洗い流して疲れを残りにくくするため」と自信を持って答えることが多く、教える側としてとても残念です。

テレビCM・テレビ番組などによる商業的な洗脳のほうが記憶に残りやすく、正論で覆すことが出来ないことには恐怖すら感じます。そして、このような洗脳を自分が受けていないかも、心配になります。

参考 乳酸とはなにか?

速筋線維はグリコーゲンをエネルギー源とし活動します。この時、乳酸を生成しますが、遅筋繊維や心筋は、この乳酸をエネルギー源に活動します。ゆっくりした運動に適した形に糖を加工したものが乳酸なのです。乳酸は老廃物というよりは中間生産物と言えます。

ちなみに病院で使われている点滴にはたいてい乳酸塩が含まれいます。体の弱った患者さん達も水分とエネルギーを補給するためです。”疲労物質”を注入するはずありませんよね?

 

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